中国北部やモンゴルを原産地とし、ビタミンA、B類、C、カルシウム、リン、鉄、ニコチン酸、ルチンなどを豊富に含むナス科の落葉樹です。

そんなクコの実について、詳しく見ていきましょう。

概要

名称

英語
Wolfberry
Chinese desert-thorn
Chinese wolf-berry
Goji berry

日本語
枸杞

学術名
Lycium chinense

クコはナス科の低木で、冬には葉が落ちる落葉樹です。 市場に出回っている赤い実は、木になる果実を干したものです。夏から秋、ナスの花によく似た薄紫色の花をつけます。可憐な花をつけたり、赤い実がたくさんぶらさがる様子はとても可愛らしく、園芸用にも人気があります。虫害や病気、乾燥に強く、挿し木や株分けで簡単に増やせるなど、栽培も比較的やさしいうえ、体に良い実をつけることから、アジアだけでなくアメリカなど海外にも広まっています。

種目、品種

ナス目ナス科クコ属

原産地

アジア。
特に中国北部やモンゴル。
東アジア原産では中国や韓国が中心です。中でも有名なのが、中国西北部に位置する自治区寧夏(ねいか)産や、韓国・青陽(チョンヤン)。特に青陽は韓国きってのクコの実の生産地で、韓国産クコの実の6割以上がここで生産されています。

クコの実には二種類あり、一般的に手に入れやすいのが河北・山西省などで栽培されてい「Lycium Chinense (枸杞)」と呼ばれる種類です。寧夏で栽培されものは高級品とされており「Lycium Barbarum(寧夏枸杞)」と呼ばれています。

また、高原地帯で温度差が激しい過酷な条件下のもとに栽培されるチベット産の「チベットゴジベリー」と呼ばれる物や、モンゴル産のクコの実も注目されています。

歴史

中国の古典薬学書『神農本草経』の中では最もランクの高い「上品薬」と呼ばれる少ない副作用で身体を養う薬とされています。日本では、平安時代に文徳天皇がクコ園を作り、実や若葉を愛用していたそうですが、その管理人が120歳まで健やかに生きたという逸話があるそうです。生薬に分類され、薬膳や漢方薬の材料です。近年欧米でもスーパーフードとして注目を集めており、ゴジベリー(Goji berry)と呼ばれエキスやタブレットなどのサプリメントにも加工されています。

栄養素

グラフ作成中

クコの実には40種類以上の有効成分が含まれていることが確認されており、ビタミンA、B類、C、カルシウム、リン、鉄、ニコチン酸、ルチンなどの栄養素が豊富であるといわれています。クコの実が持つ栄養素で注目したいのはアミノ酸・ビタミン・ミネラルの3種類です。

アミノ酸

特徴的な栄養成分としては、アミノ酸の一種であるベタインやカロテノイドの一種であるゼアキサンチン、クコの実特有のLBP(クコ多糖類)などがあり、これらがクコの実の健康効果に大きく寄与しているようです。
※クコの実は、2つのアミノ酸「L―グルタミン」・「L―アルギニン」と、抗炎症性物質「セスキテルペノイド」を含んでいます。

必須アミノ酸

グルタミン酸、アスパラギン酸などカラダの成長や疲労回復に欠かせない必須アミノ酸を含みます。

ビタミン

クコの実エキスと呼ばれているクコの実から抽出されるエキスにはビタミンCの2倍の美白作用や、ビタミンCの6倍の抗酸化力があるといわれています。

その他

ゴジベリーにはほんの微量ですが「アルカロイド」という毒性成分が含まれています。そのため一日の摂取量は約20gが目安。過剰摂取は体調不良の原因になりかねません。

気になるカロリーは、ドライの状態で318kcal/100g。
ヘルシーなイメージですが、同じドライフルーツであるレーズン(301kcal/100g)と比べてちょっと高め。健康に良いからといって食べ過ぎると太るので、「毎日少しずつ」を心がけるのがよさそうです。

ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンC
ニコチン酸(ビタミン3)
ゼアキサンチン(カロテノイド)
ベタイン(アミノ酸)
ポリフェノール

加工について

ドライフルーツの加工が主。

効能

  1. 抗酸化作用
  2. 免疫力増強
  3. 滋養強壮
  4. 眼精疲労回復効果
  5. 血圧、血脂、血糖の抑制
  6. 美肌、美白作用

摂取方法

調理例

シロップ
サラダ
ジャム
…etc…

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Comingsoon

味覚、香味

生食は、なすのような独特の青臭さと苦味を感じます。しかし日本ではまず生のクコの実を 入手することはなく、ドライフルーツが主流です。ドライ加工のクコは特有の酸味と苦味があります。